RP編①|全盲ママの就職体験|整形外科リハビリ勤務で考えた支え合いの力

整形外科リハビリ室で、白いマスクを着用した女性施術者が、施術ベッドに横たわる高齢男性の腕にやさしく触れている様子。白と淡いグリーンを基調とした室内に自然光が差し込み、上部にはタイトル用の余白がある、やわらかなパステル調のアイキャッチ画像。 網膜色素変性症・視覚障害

こんにちは😊
晴眼者のパートナーと1歳の息子を育てている全盲ママです。

このシリーズでは、視覚障碍者のお仕事として、私が実際に経験してきた働き方を少しずつ紹介していこうと思います。

今回は、盲学校で資格を取得したあと、一人暮らしをしながら働いた
「整形外科のリハビリ科での勤務」についてお話します。


🩺 整形外科のリハビリ科で働くということ

盲学校で あん摩マッサージ指圧師鍼灸師 の資格を取得し、就職先として選んだのは地域の整形外科でした。

慣れない環境での一人暮らしと、初めての本格的な就職。
不安もありましたが、患者さんやスタッフの温かさに支えられ、少しずつ仕事に慣れていきました。

マスクを着用した女性スタッフがカルテを読み上げ、施術者が静かに耳を傾けているパステル調の医療現場イラスト
視覚的サポートは“支援”ではなく“チームワーク”。
同じ目線で連携する医療現場のひとコマ。

施術は、患者さんが保険適用で受けられるもので、
患部に合わせて按摩(あんま)や鍼治療を行い、痛みや不調の改善をサポートするお仕事でした。


👩‍💼 職場で支えてくれた “視覚的サポート”

この職場には、パート勤務の女性スタッフがいて、
カルテの内容や医師からの指示を読み上げてサポートしてくれていました。

視覚的な情報が必要な場面では、

  • 医師の指示を口頭で伝えてくれる
  • 患者さんのカルテの内容を読み上げてくれる
  • 困った時にさりげなくフォローしてくれる

というサポートがあり、とても心強かったです。

視覚障碍者が医療機関で働くうえで、
こうした“周囲の理解とサポート体制”は本当に大切だと実感しています。


✋ 「按摩」と「マッサージ」の違い

勤務を始めてしばらくは「按摩」を中心に担当し、慣れてきてから鍼施術も行うようになりました。

よく“マッサージ”とひとくくりにされますが、
実は少し違う技術なんです。

  • 按摩(あんま)
    衣服の上から行うことが多く、身体の流れに沿って遠心性にじんわりほぐす、日本の伝統的な手技。
  • マッサージ
    オイルを使い、肌に直接触れながら求心性に筋肉を流す、西洋由来の手技。

どちらも“手で癒やす”という点では同じですが、心地よさの種類が少し違います。
施術時間は 1人につき10〜20分ほどで、その短い時間に集中して向き合っていました。


😊 高齢者の多い地域で、喜ばれる毎日

勤務していた地域は高齢者の方が多く、

「今日も来てよかったよ」
「ここが楽になった、ありがとうね」

と、喜んでいただけるたびに、
“この仕事を選んでよかったな”と心から感じていました。

また、女性施術者が少なかったこともあり、
「女性の先生が安心するわ」と言ってくださる方も多く、
頼りにしていただけることが励みになりました。


🥲 それでも、体がついていかなくて…

やりがいはとても大きかったものの、
施術者としてのニーズが増えるにつれて施術数も増え、
次第に体力が追いつかなくなっていきました。

特に鍼施術は集中力を必要とし、
体力的にも精神的にも負担が重なっていきました。

そして最終的には、
体調不良により退職を決断することに…。

患者さんに頼りにしていただける喜びと、
自分の体の限界の間で揺れながら選んだ苦しい決断でした。


🏥 病院勤務のメリットと、制度の壁

病院での勤務には大きなメリットがあります。

  • 患者さんが 保険適用で施術を受けられる
  • 医師と連携して 症状に合わせた施術ができる
  • 患者さんの満足度が高い

一方で、制度面では課題もありました。

病院内での「按摩」への診療報酬(点数)がとても低いため、
按摩師を雇う病院は多くなく、私が働いた整形外科のような職場は珍しいケースです。

「こんな働き方がもっと増えたら、視覚障碍者にとって安定した就職先が広がるのに…」と今でも感じています。


🌿 次回予告:はじめての一人暮らし編へ

今回は、整形外科での勤務経験についてお話しました。
次回は、就職と同時にはじめて経験した 一人暮らし についてお届けします。

お楽しみに😊


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