こんにちは😊
晴眼者のパートナーと1歳になる息子を育てている全盲ママです。
今回は、息子の出産時の体験――自然分娩を選んだ理由と、実際のお産の経過についてお話しします。
前駆陣痛が長引いたとき、どう乗り越えた?
息子の出産は36週6日、ギリギリ「早産」に含まれる時期でした。
しかし実際に病院に入院したのはその3日前。お昼過ぎに病院に到着した時には子宮口が3cm開いており、助産師さんからは「小石が転がるように、あっという間にお産になるよ」と言われました。
ところがその後、陣痛は強まらず…。
促進剤を使っても、スクワットや病室内のウォーキングをしても、お産に進みません。気合を入れて「今日こそは!」と挑んでいた私も、3日目には気持ちが折れてしまいました。
ついに助産師さんに泣きつき、
「私、何がへたくそですか?」
と口にしてしまったほどです。それほど必死で、出口が見えない時間を過ごしていました。

破水のあと、どんな痛みだった?
「明日も進まなければ一度帰りましょう」と言われた夜。
「破水すればもう帰らなくて済むのに…」と心の声が漏れた直後、本当にちょろちょろと破水しました。
それでも進行は緩やかで、シャワーにも入れたほど。
しかし、その翌日の夜――。
突然、拷問のような強烈な腰の痛みに襲われました。絶叫せずにはいられないほどの痛み。前日、陣痛室で耳にした「他の妊婦さんの叫び声」が、今は自分の声になっていると気づいた瞬間でもありました。

「帝王切開にしてください!」と思った瞬間、どう乗り越えた?
痛みに耐えきれず、私は助産師さんに
「もう無理!帝王切開にしてください!」
と訴えていました。今思い返しても、それほど追い詰められていたのだと思います。
しかし、診察の結果すでに子宮口は全開。
「いきむのがとても上手ですよ」と言われ、不思議なことにその頃から腰の痛みは和らぎ、「大きなうんちを出すような感覚」に変わっていきました。
出産の瞬間、どんな気持ちだった?
分娩室に移動してからは、助産師さんの声に合わせて呼吸を整え、少しずついきみを重ねました。
途中で「頭が見えてきたよ、触ってみる?」と声をかけてもらい、実際に触れると想像以上に大きな頭に驚きました。そして何より、
「髪の毛生えてる!よかった!」
と思わず声にしてしまったのが忘れられません。
妊娠中から怖かった会陰切開もせずに済み、裂傷もなく、擦り傷程度でお産を終えられました。これはとても幸運だったと思います。
息子はしっかりと産声をあげ、体重も十分。すぐにカンガルーケアをさせてもらい、その瞬間を助産師さんが私のスマホで写真や動画に残してくれました。小さな体を胸に抱いたぬくもりと、産声の力強さは今でも鮮明に覚えています。

パートナーが立ち会わなかったのは、なぜ?
お産は土曜日の朝で、パートナーを呼べば立ち会うこともできました。
ただ、彼は血を見ると体調が悪くなってしまう体質で、私自身もお産に集中したい気持ちが強かったため、立ち会いはあえてしませんでした。
出産直後に連絡を入れると、すぐに返信があり、面会時間になると駆けつけてくれました。前日まで泣きながら電話していた私が「産まれた」と知らせたことに、とても驚いたようでした。
自然分娩を選んで、今どんな気持ち?
はじめは無痛分娩も検討しましたが、リスクを考えて最終的に自然分娩を選びました。
途中では「自然分娩を選んだことを後悔した」瞬間もありましたが、産んでみた今は心から「自然分娩でよかった」と感じています。
長く辛い時間もありましたが、結果的にとても幸せな出産体験でした。
母子ともに大きなトラブルもなく退院できたのは、きっとお空へ先に行った娘ちゃんが守ってくれたからだと思っています。
次回は、入院生活中の工夫や、視覚障害のある母としてのサポート体制について詳しく書いていきます。
また次の記事でお会いしましょう😊


コメント